検察庁法改正案?
なんか一部ネットで盛り上がっている「検察庁法改正案」について、外から眺めているとその騒ぎ方に違和感を覚える点がいくつかあったので、自身の理解を整理するためにも以下にまとめてみた。
なお、ネットで調べた内容が多いのでその点には注意していただきたい。
ネットでの騒ぎ
今回の騒ぎの発端は、個人によるTwitterへの投稿とのことである。とのことである、というのは自分自身が一次情報に当たっていないからだ。元のツイートを辿るのは面倒なのでやってないが、朝日新聞が一応そのようにコメントしている。*1
政権批判ネタツイートは多々あるが、今回のケースで特徴的な点は『著名人も批判に参加している』というところだ。(具体名は上の朝日新聞などのリンク先を参照されたい)(ここに書くことは憚られるので。)
そうでなくとも、Twitterのトレンドで上位に来ていることからも(あと、自分の知り合いとかも結構に反応していたりするので)この界隈での盛り上がりは大きいと考えていいだろう。
検察庁がどうとか、国会の審議がどうとか話題になっているので、その周辺についてリサーチしてみたいと思う。
法案の概要
そもそも今回で問題になっている法案はなんなのか。僕は法学に疎いので条文を読んでちゃんと解釈できるとは思えないが、とりあえずやってみよう。
…と意気込んだのはいいものの、やはり条文案それ自体はかなり長かったので諦めた。*2
代わりに、一ヶ月ほど前に書かれたこちらのページ記事を参考にしてもらいたい。
国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げ 役職定年制も導入(国家公務員法等の改正法案を国会に提出) | 社会保険労務士PSRネットワーク
無断転載禁止なので内容だけ抽出すると、、
となる。もともと国家公務員の定年延長を目的とした法案ですね。
世間的には「少子高齢社会」の到来が問題視されており、公務員か否かによらず定年を延長させようという流れが主流になっています。
今回の措置はこの潮流に則ったものであり、国が率先して定年の延長を行おうという意図があるようにとれます。
(もともとこの法案の骨子は以前から存在しており、実際に法案を通そうという段階に入った、審議入りになったのがこの時期ということです。)
問題点の検証
さて、この法案で問題になっている点についてです。
上で述べた3の検察庁がなぜか問題になっています。どういうことでしょうか。
騒いでいる人たちの発言を見ると、次のようなことがわかりました。
- 検察庁のトップ(?)が現政権に近しい人物である
- しかしこの方は定年が近い
- 今回の法案が可決されればこの人が検察庁トップに居続ける(←これは嘘です)
- これは実質、三権分立(行政と司法の独立性)に違反(違憲)である!
(※問題がありそうなので個人名は出しません)
人によって現政権への批判のベクトルは様々ですが、大まかには上述のストーリーのようです。
しかし問題なっているこの検事長の方は、法律が施行されるタイミング(令和4年)までには現段階での定年を迎えるのでどのみち上記の3は通りません。誤りです。
行政が司法を取り込もうとしている、だとか、現政権は権力を牛耳ろうとしている、などの半ば感情論に近い批判は多々ありますが、正直言うと現段階でそれは妄言に過ぎません。
結論と教訓
今回の騒動に乗って騒いでいる人たちははっきり言って一次情報に当たっていません。
そのため、今回のコロナ禍における社会への漠然とした不安、現政権に対する懐疑的な視線、そうした自分の心のなかの不安な部分が先行し、短絡的な批判行動に繋がってしまったと言えるでしょう。
なんとなくみんながそう言っているから、著名人も賛同しているから、という考えは一つの安心材料にはなるかもしれませんが、論拠とはなり得ません。
僕らはいかなる時も、世間の発言を鵜呑みにせず、自分の頭で考え判断する習慣をつけないといけません。自分が考え及ばない領域にまで、想像力という翼を広げて飛んでいけるかどうか。それははっきり言ってその人の教養、今まで学んできた経験が全てです。
だから僕らは学ぶのです。勉強するのです。
いかなることにも偏狭な感情論だけで挑む無謀は起こしてはいけないと思います。
以上。